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胸部外科(肺・心臓)専門医として、大学病院はじめ、関連病院と医療連携を密にしながら、地域医療の一員として、診療にあたっております。 |
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| 現在の医学の進歩は、目をみはるものがあり、たとえば「再生医療」の分野では、人間の体の多くの臓器が人工的に再生可能となっており、「分子生物学」の分野では、人間の遺伝子もほぼ解明されています。
これらの基礎医学の進歩をもとにして、臨床の現場では、失った臓器を再生する手術や、心臓や肺を代表とした「移植手術」が日本でも少しずつすすんでいます。また「癌治療」の分野では、一人一人の患者さんにあった薬剤や治療法を選択する、いわゆる「オーダーメイド」の治療方針をたてていくことが、可能となってきています。 |
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| しかし、このように医療技術が急速に進歩する一方で、病気が多様化し、高齢者化する社会にともない、国民医療費は高騰し、病院では長期入院が困難となっており、多くの患者さんが、自分の治療を受ける場をどこに求めていいのか迷っている光景を常に目にしてきました。また、今まで、約3000人の呼吸器外科および心臓外科の手術にたずさわってきましたが、最先端の技術、医療機器をもってしても治すことのできない疾患と、それにともなう患者さんの苦しみも、数多く見てきました。 |
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| テレビや雑誌では、「医者ドラマ」「医者漫画」が流行しており、「神の手」と称する外科医が登場しますが、同じ病気でも、一人一人が、それぞれ違った体と心をもっている患者さんに対して、医師が「メスをもつ」ということは、何千人、何万人の手術を経験したとしても、逆に経験をつめばつむほど、手術に対する「怖さ」を感じるようになります。
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| 私が今まで出会ってきた医師の中で、「真にすぐれた外科医」というのは、この「手術に対する怖さ」を常に感じていながら、それでも一人一人の患者さんにとって、最善の治療法を選択し、実行できる人たちです。「神の手」をもつ人間などいるはずはなく、「手術は祈りである」という、学生時代におそわった言葉そのものが、医療の原点だと思っています。 |
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| 「病院ランキング」の本が流行しており、これらは、患者さんが病院を選ぶための、ひとつの選択手段としては有用だと思います。しかし、手術数や治療成績をしめすことはできても、本当にその患者さんに適切な病院あるいは医師であるかは、ランキングではしめすことはできません。最先端の治療をうけたとしても、癌が再発転移し治療法がなくなった段階で、診てくれる病院はなくなり、苦しみながら亡くなっていく患者さんは現在も数多く存在するのが現状です。 |
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| 今までの医師としての人生を、大病院の中でのみ過ごしてきましたので、今後、地域医療において、自分がどこまで貢献することができるかはわかりません。医療に「経験」は重要ですが、日進月歩の医療においては、常に新しい情報を取り入れ、臨床の現場で考えてゆく姿勢がなければ、どんなにすぐれた医師といえども、「過去の経験」だけでは、進歩のはやい臨床の現場では、すぐにとり残されてしまいます。自分の技量を常に振り返りながら、「地域医療の担い手」であると同時に、「地域医療と高度先進医療をつなぐ架け橋」になることを目標に、医師としての残り半分の人生を送っていきたいと思っています。 |
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| 医学を学び、医師として育ててもらった北里大学病院の現在の理念は、「患者さんとともに作り出す医療」です。この理念は、大病院のみでなく、一診療所の願いでもあり、逆に小さな診療所でなければ、「患者さんといっしょに作ることのできない」多くのことがある、と信じています。 |
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| 微力ながら、近隣の先生方はじめ、医療機関のお力を借りながら、よりよい地域医療を築くための一員として、努力していきたいと思っております。 |
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