神奈川県相模原市の呼吸科・循環器科 しなだ呼吸器循環器クリニック 【呼吸器科・循環器科・内科】

しなだ呼吸器循環器クリニック

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 ペイルブルードット
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アメリカの宇宙学者カール・セーガンの宇宙カレンダーによれば、150 億年前、現在の宇宙がビックバンによって始まった時刻を1 月1 日の午前0 とし、今現在を12 月31 日の午後12 とすると、地球が誕生したのは10 月20、生命が誕生したのは12 月14 、人類の祖先が生まれたのが12 月31 日午後9 、そして現代文明は12 月31 日の午後1159 を過ぎてからだそうです。 

人間の一生を仮に100 年としても宇宙の時間からみればたった0.2秒です。そのうち半分は寝たり食事をしたりしていますから0.1秒、またその半分くらいの時間は雑談をしたりボーッとしたりしていますから、実際に人間が一生の間で何かをなしえる時間は、宇宙からみれば0.05秒にも満たない時間になります。

このようなほんの一瞬の出来事にすぎない時間の中で、人間は多くの人と交わり、笑い、泣き、悩み、喜び合いながら生きています。今の自分がこうして生きていられるのも、自分を産んでくれた2人の両親がいたからであり、その両親がこの世に生を受けたのも、さらに4人の両親がいたからであることを考えると、今ある自分の生は無数の人達がいたおかげである事に気づきます。

0] は無限大あっても0ですが、0以外の正の数は、たとえどんな小さな数でも、合わされば無限大になります。何もしないところからは、何も生まれませんが、一人一人がわずかでも前に進む努力をすれば、最後は大きな前進になります。

どんなにあがいても一人の人間ができる事は極わずかです。ほんの一瞬の人生の中で、自分が少しでも前に進むことができれば、その思いは次の世代に引き継がれていきます。

 1977 年に打ち上げられた木星探査用ロケットボイジャー1は、太陽系の写真を数多く地球に送り続けた後、最後に振り返って撮影した写真の1枚には、60 億kmのかなたに地球が1点の光として写っています。ボイジャーが、それまでに送り続けてきた太陽系の貴重な写真の中において、1点の光しか写っていないこの最後の写真は、科学的にはほとんど価値のないものですが、地球があらためて太陽系の一員であることをしめす最も有名な写真として「ペイルブルードット(Pale Blue Dot」と呼ばれています。この写真を最後にボイジャー1号はその任務を終えて、宇宙の闇の中に消えていきました。

新型コロナウイルスが世界中に蔓延している中にあっても、人類はいまだ宇宙からみれば、このわずかな1 点の光の中で多くの争いを続けています。

死ぬ最後の瞬間を迎えて、自分の人生を振り返った時、自分が歩んできた過去の軌跡が1点でも輝いて見える、そんな人生を送りたいと願わずにはいられません。


Pale Blue Dot】

ボイジャーが最後に振り返って撮った写真:中央の1点の光が地球

Pale Blue Dot:ボイジャーが最後に振り返って撮った写真:中央の1点の光が地球           NASA  Jet Propulsion Laboratory より


2020年6月18日(木)

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