【当院におけるPCR検査の精度】 厚生労働科学研究の結果、発症から9日以内では、鼻咽頭ぬぐい液と唾液によるPCR検査には高い一致率がみられています (詳細は以下参照https://www.mhlw.go.jp/content/10906000/000635988.pdf) 当院におけるPCRは外部検査機関(SRL)に委託しています。検査試薬は「ロッシュ・ダイアグノスティ社のコバスSARS-CoV2」を使用しています。この試薬を用いた当院におけるPCR検査の精度は、陽性率(陽性の人を正しく「陽性」と検出する率)・陰性率(陰性の人を「陰性」と正しく検出する率)とも国立感染症研究所で用いている試薬と100%の一致率があり、厚生労働省から認可された試薬です ●抗原検査は、鼻腔咽頭から採取したものを簡易キットで数十分で判定します。抗原検査が「陽性」の場合は、ウイルス量が多いため「PCRも陽性」ですが、初期やウイルス量が少ない場合は、感染していても「抗原検査が陰性」と判定されてしまいます。そのため当院では原則としてPCR検査をおこなっています 【検査結果の解釈】 検査報告書には以下の4つの結果のうちどれか1つが印字されています @ 「陽性」:新型コロナウイルスの遺伝子(RNA)が検出されました 注)新型コロナウイルスに感染したあと、10日以上経過すれば感染力は急激に低下することがわか っていますが、10日目以降でも再度PCR検査を施行すると、「新型コロナウイルスの遺伝子のかけ ら」が残っている場合があり、これを増幅させるPCR検査では「陽性」の結果がでる可能性があり ます。ただこの場合のウイルス遺伝子は、すでに感染力を失っています。 A 「推定陽性」:臨床的には「陽性」と同じ結果です PCR検査では 検査をより確かにするためコロナウイルスの遺伝子の2カ所の部位を選択して、その有無の検出を行っています。2カ所のうち、1つは「現在流行している新型コロナウイルス」に特有の部位ですが、もう1つは「2003年に流行したサーズ(SARS)コロナウイルス」にも共通する部位です。そのためこの部位のみが陽性の場合「推定陽性」という結果報告となります。しかし2003年に流行したサーズは現在収束しており、感染者はいないため、「推定陽性」の場合は「新型コロナウイルスに対して陽性」と解釈して問題ありません。 B「検出せず」:検体(唾液)に検出できる数のSARS-Co-2(新型コロナ ウイルスの遺伝子)が含まれていなかったとの意味で、従って検査時点では「陰性」と 考えられる状態です。ただし、新型コロナウイルス感染症が完全に否定できるものではな く、「感染初期のため現時点では陰性だが今後発症する可能性はあり得る」ことはご承知おく ください。すべてのPCR検査の感度は約70%とされています。 C「判定不能」:まれに、判定不能と診断される場合があります。検体量(唾液量)が 少ないか、PCR施行する際に何らかの障害となる物質が混在している可能性がありま す。この場合は再検査のためご足労ですがクリニックで再検査をさせていただきます (再検査に際しての費用はかかりません) |